野球がしたい
野球がしたい。
ただそれだけなのに、胸の奥が熱くなる。
バットを握った瞬間の感触。グラブに球が収まる音。土の匂い。ベンチから聞こえる仲間の声。あの空気を思い出すだけで、身体がうずく。野球は不思議だ。点を取るだけの競技なのに、人の人生や感情まで巻き込んでくる。
ホームランを打つ選手もいれば、バントで流れを作る選手もいる。エラーして下を向く日もあれば、奇跡みたいなプレーで流れが変わる日もある。全部ひっくるめて「野球」だ。誰か一人だけじゃ勝てないし、誰か一人が諦めたら崩れる。だから面白い。
練習は地味だ。素振り、キャッチボール、ノック、走り込み。同じことの繰り返し。でも試合で光るのは、その地味な積み重ねだ。才能よりも継続。センスよりも習慣。結局、毎日バットを振った人が最後に強くなる。
思い通りにいかない打席もある。三振してベンチに戻る時の悔しさは、何度味わっても慣れない。でもその悔しさがあるから、次の一本が価値を持つ。失敗は終わりじゃない。次の成長の材料だ。
野球は人生に似ている。
チャンスは突然やってくる。準備していない人には通り過ぎるだけで、準備してきた人だけが掴める。調子のいい時も悪い時も、同じようにグラウンドに立つ。その姿勢が、後で大きな差になる。
仲間の存在も大きい。声をかけ合い、励まし合い、ときにはぶつかり合う。勝った日は一緒に笑い、負けた日は一緒に悔しがる。その時間が、人を強くする。一人じゃ辿り着けない場所に、チームなら行ける。
野球がしたいと思うのは、ただボールを追いかけたいからじゃない。全力で走りたいからでもない。自分の限界に挑みたいからだ。昨日の自分より、ほんの少しでも前に進みたいからだ。
年齢なんて関係ない。ブランクがあってもいい。うまくなくてもいい。大事なのは「やりたい」という気持ちと、グラウンドに立つ勇気だ。最初の一歩はいつだって小さい。でもその一歩が、未来を変える。
だから今日も思う。
野球がしたい、と。
汗を流して、泥だらけになって、笑って、悔しがって。
その全部が、生きている実感になる。
バットを振ろう。
ボールを追いかけよう。
仲間と声を出そう。
野球は勝ち負け以上のものを教えてくれる。努力の価値、仲間の大切さ、諦めない心。グラウンドには、人生の答えが転がっている。
野球がしたい。
その想いがある限り、人は何度でも立ち上がれる。

